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不動産取引で失敗しないための『契約不適合責任』とは?ポイントを簡単解説!土地建物購入後の買主の視点

今回は、建物を買う時や買った後の買主として損をしないために有用な法的に認められている視点を宅地建物取引士の私がお伝えします。

不動産を購入する際に気をつけたいのが「契約不適合責任」です。

土地や建物に隠れた欠陥があった場合、契約内容に適合しない部分として売主が責任を負うことになりますが、知らないと買主に不利な条件で泣き寝入りする可能性も。

この記事では、買主視点で押さえておきたい契約不適合責任のポイントをわかりやすく解説します。


例えば、「新築を買って、もう、5年以上経つけれど、この不具合って、直してもらえるのかなー?」、そんな疑問にお答えします。

先ずは、各法律の目的と要件を見ていきましょう。その目的とは、買主(消費者)を保護することです。

それぞれの目的や適用範囲を知ることで、買主は不安なく既に購入したものに対する不具合の改善請求をすることができます。


知っているのと、そうでないのとでは、精神的にも全く異なります。

1 各法類型の目的と構成要件

上のリストで、先ずは、簡潔にまとめてみました。

「ああっ、こう云う法律があるのね、でも、もっと具体的に知りたいなー」という第一印象を持つ方がほとんどだと思いますので、それぞれの法律に沿ってご説明をいたします。

今回は、リストにある「民法」と「改正民法」についてお話しします。

その他については、順次、別なブログでお伝えします。

2 各法令の説明と具体的な事例

民法(瑕疵担保責任)

2019年まではこの法律を運用していましたが、「改正民法」の登場で、運用を停止しました。

改正民法(契約不適合責任)

🔹目的🔹

🔹 契約の適正な履行の確保:
・売買契約において、引き渡される物が契約内容に適合していることを確保します。
・買主が期待する品質や性能に見合った物が提供されることを保証します。

🔹 買主の保護の強化:
・従来の瑕疵担保責任(民法)に代わり、買主が物の欠陥だけでなく契約内容に適合しない場合にも広く救済を求められるようにします。
・買主が契約内容と異なる物を受け取った場合に、迅速かつ適切な救済を受けられるようにします。

🔹 取引の透明性と公正性の向上:
・売主が契約内容を明確にし、買主に対して十分な説明を行うことで、取引の透明性を高めます。
・契約内容に基づいた適切な履行を促進し、公正な取引環境を整えます。

🔹 紛争の予防と解決の円滑化:
契約内容に適合しない場合の対応方法を明確にすることで、売主と買主の間の紛争を未然に防ぎます。


紛争が発生した場合にも、法律に基づいた明確な基準で解決を図ることができます。

詳細な目的:

適合性の基準の明確化: 契約内容に適合するかどうかの基準を明確にし、売主と買主が共通の認識を持てるようにします。

救済手段の多様化: 「契約の解除」、「代金減額」、「修補請求」、「損害賠償など、買主が利用できる救済手段を多様にすることで、買主の権利を広く保護します。

消費者保護の強化: 特に消費者取引において、買主(消費者)の権利を保護するための規定を強化し、不利益を被ることのないようにします。

取引の信頼性向上: 取引における信頼性を向上させることで、安心して取引が行える市場環境を整備します。

🔹具体的な事例🔹

1)新築住宅の引き渡し後に雨漏りが発生した場合:

状況: 買主が新築住宅を購入し、引き渡しを受けた後、数か月で雨漏りが発生した。

契約不適合責任の適用: 契約書には住宅が「雨漏りのない状態で引き渡される」と明記されていたが、実際には雨漏りが発生したため、契約内容に適合していないと判断されます。

買主の救済手段:

修補請求:売主に対して雨漏りの修補を請求します。

代金減額請求:雨漏りの影響で住宅の価値が下がった場合、代金の一部を減額することを請求します。

契約解除:雨漏りが重大な問題であり、修補が難しい場合、契約を解除することができます。

損害賠償請求:雨漏りによる被害(家具の損傷など)に対して損害賠償を請求します。

2)中古マンションの購入後に構造上の欠陥が判明した場合:

状況: 買主が中古マンションを購入し、引き渡し後に建物の構造上の欠陥(例えば、基礎のひび割れ)が判明した。

契約不適合責任の適用:契約書には「建物の構造に重大な欠陥がないこと」が明記されていたが、実際には基礎に重大なひび割れがあるため、契約内容に適合していないと判断されます。

買主の救済手段:

修補請求:売主に対して基礎の修補を請求します。

代金減額請求:構造上の欠陥によりマンションの価値が低下した場合、代金の減額を請求します。

契約解除:欠陥が重大であり、修補が困難な場合、契約の解除を求めることがでます。

損害賠償請求:構造上の欠陥により生じた損害(追加の修繕費用など)について、損害賠償を請求します。

3)住宅設備が契約内容と異なる場合

状況: 買主が新築住宅を購入し、引き渡し後に契約書に記載された設備(例:高性能の給湯器)が実際には取り付けられていないことが判明した。

契約不適合責任の適用:契約書には「高性能の給湯器が取り付けられている」と明記されていたが、実際には異なる設備が取り付けられていたため、契約内容に適合していないと判断されます。

買主の救済手段:

修補請求:売主に対して契約書に記載された高性能の給湯器への交換を請求します。

代金減額請求:設備の違いにより住宅の価値が低下した場合、代金の減額を請求します。

契約解除:設備の違いが重大であり、修補が難しい場合、契約を解除することができます。

損害賠償請求:設備の違いによる不便や追加費用に対して損害賠償を請求します。

3「契約不適合責任」を適応するための請求有効期間と通知期間

この項目は、非常に重要なので、是非、お読みください。補償等を受けることができる期間は無限ではありません。それが「請求有効期間」です。この期間内に請求しなければなりません。

契約不適合責任の請求権の有効期間

一般的な期間:改正民法第166条第1項に基づき、契約不適合責任に関する請求権は、契約不適合を知った時から5年間が請求権の有効期間です。

長期の期間:建物などの不動産の場合、契約不適合を知った時から10年間が請求権の有効期間となります(民法第167条)。

契約不適合責任においての通知期間

第570条では、「遅滞なく」と規定されていますが、それでは、「どのタイミングで、いつまでに」ということなのでしょうか。

第572条は、契約不適合を知った時から「1年以内」に売主に通知しなければならないという具体的な期間を示しています。この1年という期間は法的に明確に定められているため、買主が契約不適合を知った時点から1年を超えてしまうと、契約不適合責任を追及する権利を失うことになります。

4 まとめ

改正民法の契約不適合責任に基づき、契約内容に適合しない場合に買主がどのような救済手段を利用できるかを示しました。

契約内容は詳細に明記される必要があり、買主は十分な説明を受けるように売主に請求できます。

契約不適合が発生した場合には、買主は、今回、ご説明した内容を参考にして頂き、買主=消費者の権利を正しく行使して頂きたいと思います。

次回からも、リストにあるその他の法令についてお話をさせて頂きます。ご期待下さい。

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